【接客のお仕事】わかりやすい、ゴルフ場のお仕事解説!

『ゴルフは紳士のスポーツ』多くの方がそう答えます。
しかしながらゴルフと聞くと「会社の接待」「難しそう」「バブルっぽい」「お金持ちのスポーツ」というイメージが浮かんだりしませんか?
 
実際はそんなこと、まったくありません。
 
ゴルフは年齢・性別に関係なくできるスポーツです。
ルールもシンプルです、各コースを少ない打数でクリアできるかをみんなで競います。
親子や夫婦またはカップル同士など、みんなで一緒に楽しめるのが最大の魅力です。
 
そんな、競技の場を提供するゴルフ場とゴルフ場スタッフの方たちの役割はどういったものがあるのか?
そんなゴルフ業界を支えるゴルフ場や、そこで働くスタッフにスポットライトを当てました。
 

【ゴルフ場とは】

読んで字のごとくゴルフをプレーする場所です。
一般的に全18ホール以上で構成されており、各ホールに打数が設定されています。
いかに少ない打数でクリアできるかを競うスポーツを行う場所です。
各ゴルフ場にホールの形が違い、レジャー用の比較的難易度の低めのところもあれば、プロも舌を巻くほど難易度の高いホールまで様々な個性があります。
また、一連のゴルフをプレーするホールの他に、通称「打ちっぱなし」と呼ばれる練習場用にボールをひたすら打てる施設があります。
ゴルフ場は建設するために広大な敷地が必要ですが、クラブハウスでの接客や設備の管理・運営のために、多くの職種と人員もまた必要なのです。
 

【ゴルフ場スタッフとは】

ゴルフ場を運営・保守・管理する人たちです。
接客からコースの管理、企画に営業、レストランの調理師まで多岐にわたります。
主な部門は運営、フロント、キャディマスター室、コース管理人、営業、販売、レストランなどがあります。
 

【各役職の業務内容】

・支配人

ゴルフ場全体の統括者で、全体の決済権を持ちます。主にお客さんの対応の他、各事務業務も行います。
コミュニケーション能力はもちろん、組織全体を見渡す広い視野が必要です。
支配人を目指すにはゴルフ業界で下積み業務から出世していく場合と、経営の勉強・経験を積んだのちに外部から就任する場合があります。
 

・受付・フロント

お客さんの出迎えや見送り、電話対応業務が中心です。
お客さんの対応が少なくなる時間帯では他部署の応援や手伝いで事務仕事を行うことも多く、仕事の性質上、接客スキルや簿記などの事務資格があると好ましいです。
 

・キャディ

ゴルフ場業務で最も長い時間お客さんと接する仕事です。
主にお客さんと一緒にコースを回り、コースのアドバイスやプレーの進行をサポートをします。
その中でお客様のラウンド中のケガや体調不良などのトラブル対応などもあり、現場での対応力が求められます。
その他にカートの手配や運転、お客さんのゴルフバッグを運ぶなどポーター業務を兼任する場合もあります。
 

・キャディマスター室

上記で記述したキャディを統括する部署です。
主にホールが他のお客さん同士で重複したりしないよう、スタートの時間やゴルフ場全体のプレー進行を管理します。
安全確保のためにコース管理部門と連携してホール全体の巡回やコンディションのチェックも行います。
また、スコアカードやマーカー、カートの他にキャディの勤怠などもここで管理します。
プレー中の事故や体調不良のトラブル時はキャディとも連携して対応を行います。
 

・コース管理者(グリーンキーパー)

ゴルフ場全体の景観やコースコンディションを管理している部署。
ゴルフ場そのものにとって、最も重要な役割と言えます。
主に芝の質・コースコンディションの管理や、害虫対策の農薬散布など、コースに関する管理業務が中心になります。
 

・調理師

ゲストハウスのレストランで調理を担当するスタッフです。
ゴルフ場はコースそのものだけでなく、レストランの料理を売りにしているところもあるため、レストランはゴルフ場のもう一つの顔と言えます。
 

・営業

ゴルフ場で行う様々なイベント・コンペのような企画の立案、広告を出す部署です。
また、会員制のゴルフ場の場合は既存会員の管理も行っています。
営業のもう一つの役割としてお客さんとのコミュニケーションを通じて、アフターフォローや要望の吸い上げを行い、次回のイベントに反映するなど売上を上げるための施策を作ることも重要です。
 

・事務

ゴルフ場の事務・人事などを管理する部門です。
売り上げや支払いのみならず、関わる業種が多岐にわたるゴルフ場の書類仕事を一手に引き受けています。
ゴルフ場全体を支えている重要な屋台骨といえる部署です。
 

・販売

ゴルフ場のショップ運営を行う部門です。
主にボールなどの消耗品やウェア等、ゴルフ用品やお土産の販売や仕入れ、在庫管理などを担当します。
中にはサービスでウェアのコーディネートを行っているところもあります。
 

【ゴルフ場の勤務環境】

ゴルフは通常18ホールも回るため、とても時間のかかるスポーツです。
人数にもよりますが、進行がスムーズに行ったとしても休憩抜きで5時間以上かかります。
トラブルが発生することもあります、不慣れな初心者が参加すると、どうしてもプレー時間が伸びてしまいます。
そのため、プレー開始時間は朝早いことが多い傾向があります。従ってゴルフ場スタッフはそれより早くお客さんを迎え入れる準備をする必要があり、出勤が早いことが多くあります。
 

【ゴルフ場スタッフが必要とされるタイミング】

・娯楽・レジャー施設として

ゴルフ場はそれ単体だけではなく、リゾート地のホテルと併設されていることもあります。
プレーだけでなく、満開の桜や燃えるような紅葉など季節により風景の変化を間近で見ることができて自然や景色を楽しみたい方へもおすすめの場所です。
 

・スポーツ競技の舞台

ゴルフはプロスポーツとしても人気があり、定期的に大会をプロアマ問わず開催しています。
整ったコースでスムーズに運営される競技の裏には、ゴルフ場スタッフたちの努力と貢献があります。
 

【ゴルフ場スタッフの給料】

当然、勤務するゴルフ場や役職によってちがいがあります。

一般的に支配人の月給は30~50万円前後にインセンティブが加わることが多いそうです。
続いてフロントは月給25万円前後と一般企業と変わりません。
キャディ・調理師も経験によりますが25万円前後が多いようです。
マスター室のアルバイト・パートの時給は1,000円前後、正社員で23万円前後です。
最後にコース管理人は月給18万円から30万円前後とスキルや経験、知識が必要な技術職のため、人により幅があります。
 

【ゴルフ場スタッフが持っているとよい資格】

・普通自動車第一種免許

ゴルフ場の多くは施設の性質上、市街地から遠く離れたところに造られます。
そのため通勤手段として自動車が必要になることが多くあります。
 

・芝草管理技術者

主にコース管理者に必要とされる資格です。
ゴルフ場の他にスポーツ施設、公園、道路などの芝生の維持管理に携わる人を対象に、芝生について維持管理だけでなく様々な知識・技術を取得したことを証明する資格です。
試験では土壌や薬品など大学の農学部レベルの知識がテストされます。1級から3級まであり、2級以上は現場責任者として必要な労務・予算管理能力なども勉強します。
コース管理者として必要なマネジメント能力を身につける必要があります。
 

・日商簿記

ゴルフ場では主に経理や支配人など事務業務に携わるスタッフが取得します。
他業種で仕事に就く際にも有利な資格のため、既に持っている人はゴルフ場でのお仕事でも生かせる場は多いでしょう。
 

・調理師

レストランの調理業務に就くスタッフが必要な資格です。
実は調理をするだけなら別に資格は必須ではありませんが、公衆衛生・食品衛生に栄養学、各国の食文化など調理師に必要な知識について学んだ証明となります。
ゴルフ場に限らず飲食関係に就職する際は有利な資格であることは間違いありません。
 

・販売士

ゴルフ場内のショップや売店のスタッフが取得すると好ましい資格です。
一言で言うと「販売のプロフェッショナル」である証明です。
この資格は、大量にある商品の情報を活かし、お客さんに配慮した接客技術と商品開発や仕入れ、物流などを効率よく行う知識を勉強します。
アパレルや量販店など他の接客・販売業務に就く時にも有利です。
 

【ゴルフ場スタッフに向いている人】

・早起きが苦にならない人

ゴルフ場の仕事は早朝が基本です。
そのため、朝に強いことが望ましいです。しかし、ゴルフ場は競技の性質上夜間には基本行われないため終業時間は比較的早いお仕事と言えるでしょう。
 

・コミュニケーション能力がある人

特に、支配人やフロント、営業職では必須です。ゴルフ場の仕事はサービス業です。
お客さんの対応だけでなく、職場の方たちと円滑な業務を進める上でも最低限必要です。
 

・体を動かすことが好きな人

ゴルフ場の敷地はとにかく広く、特にコース管理者やキャディの方は一日の移動量が多いです。
そのため、体力に自身があり、身体を動かすことが好きな方は向いています。
 

・ゴルフが好きな人

来場したお客様に喜んでもらうためにも、やはりゴルフが好きな方がより細かい気付きや対応力に幅が出ます。
他のことにも言えますが、好きであり過ぎるために拘りが強くなってしまうなど、独りよがりにならないよう注意が必要です。
 

【未経験からゴルフ場スタッフを目指す方法】

専門職が多いため、未経験では難しいと思われるかもしれませんが、一般求人などを見ると未経験者可の募集も多いのが実情です。
理由として広大な敷地を管理するため人手が必要なことも上げられますが、下積みから経験を積み、必要な資格をそろえるなど働きながらキャリアアップが可能だからです。
 

【採用されやすい志望動機】

各ゴルフ場に特色があります。
志望する企業の情報はしっかり調べ把握し入社してから自分がどうなりたいか、どう貢献していきたいかを自分の言葉で伝えられるようにしておきましょう。

ゴルフ場勤務は朝が早いのであなたは朝に強いことをしっかり伝えることも大切です。
そして、コース管理人をはじめキャディの方は体力仕事になるため、体力・健康共に問題ないことが必要です。
また、あなたが希望する役職により変わります。
ゴルフ場の仕事は未経験の方は、なぜこの仕事を選択したのか、興味を持ったのかをしっかり答えられるように準備しておきましょう。

支配人候補であれば、ゴルフ場全体の統括であり、売り上げ目標の設定から全体のチェック・マネジメントなどを行うため、それらの経験や知識があればしっかり主張することが重要です。

フロントや販売ならばゴルフ未経験であっても、多くの人々と関わり、人と接する機会が好きで、今までの仕事で接客のスキルを身につけてきたことをアピールすると好印象になります。

営業職の場合では上記の接客技術、経験の他に現在までの職歴から企画力や営業力を伝えれば好ましいと言えます。

コース管理人は専門職であり、ゴルフ場で重要なポジションです。責任感が強く何事にも熱意を持って取り組み勉強する意思が大切です。
 

・ゴルフ場スタッフとして働く際に資格を取得する必要性

結論から言うと未経験からゴルフ場のお仕事に挑戦する場合、絶対に必要な資格はありません。
ただ普通自動車免許は、通勤手段として車が必要になることが多いため持っていた方が無難と言えます。

コース管理者であればゴルフ場の緑の状態を維持するため、農薬などの取扱い知識が必要です。
芝草管理技術者の資格を取得しなければいけません。
各役職に経験と技術を身につけ、応じた資格を取得していくことで順調なキャリアアップが期待できます。
 

【まとめ】

・ゴルフは老若男女が楽しめるスポーツのため、お客様の年齢層も広いです。
・ゴルフ場の朝は早いです。
・スポーツの大会だけでなく、レジャー施設としても利用されています。
・接客業とサービス業がゴルフ場の基本ですが、ゴルフ場の運営には様々な役職が必要です。

いかがでしょうか?
利用したことがない方からしたら遠い世界のようなゴルフ場。
本来はレジャーやリゾート地として老若男女だれもが利用できる場所です。

ゴルフ場は多くの人たちに支えられています。
支配人やフロントのように直接お客さんを出迎える方からやプレーをサポートするキャディ、ホールの景観を守るコース管理人やお客さんへ食事と憩いの時間を提供するレストランスタッフなど、どの部署が欠けてもゴルフ場の魅力は大きく損なわれてしまいます。
それだけ一人ひとりのお仕事に重要性を感じられる職場と言えるでしょう。